前回まで2回に渡って会社員が加入する『社会保険』やその保険料について紹介してきました。
退職
一般的に約40年程はある社会人人生、ほとんどの人が会社に属すると思います。
ただ、その会社一筋で勤めあげる人もいれば独立や転職、リストラによって会社を退職する人もいます。
総務相の『平成29年就業構造基本調査』によると、64歳まで転職経験がない人の割合は36.4%で男女別にみてもどちらも半数を下回ります。
今回はそんな退職する人向けの豆知識です。
健康保険
労働中以外の病気や怪我の治療費、それによって仕事を休んだ際の手当金が給付される『健康保険』。
会社員が加入する『健康保険』には協会けんぽと組合健保の2種類があります。
勤めている会社が加入している『健康保険』に入り、保険料は会社と折半した分が給与から天引きされます。
転職
転職する場合は転職先の会社が加入している『健康保険』に変わります。
無職または個人事業主
市町村などの窓口に行って自治体が運営する『国民健康保険』に切り替えます。
国民健康保険(国保)
国民健康保険は、自営業や農業・漁業、アルバイトなど会社の健康保険に加入してない人・無職の人などが加入します。
保険料
この『国民健康保険』は前年の所得をもとに保険料が計算されます。
自治体によりますが会社員が加入する『健康保険』と比べると『国民健康保険』の方が負担が大きくなることが多いです。
会社員の『健康保険』との違い
家族全員分の料金
会社員の『健康保険』では保険料を支払うことで家族分の保険が保障されます。
保障カバー範囲
『国民健康保険』では会社員が加入する『健康保険』で保障されていた出産手当金や傷病手当金は含まれません。
任意継続
退職後でも申請すれば2年間は前職の『健康保険』を適用することができます。
つまり2年間は前職で加入していた保険料分で家族の保険を補うことができ、保障もその『健康保険』のものが適用されるということです。
ただ、その際は会社が負担していた折半(半額)分も自分で払わなければなりません。
任意継続時の保険料
基本的には退職時の『標準報酬月額』の10%前後です。
※加入していた『健康保険』によって割合は異なります
※40歳以上は介護保険料分(『協会けんぽ』の場合1.57%)もかかります
※報酬が高かった場合は『標準報酬月額』ではなく、30万円(『協会けんぽ』の場合)や勤務先の『標準報酬月額』平均(『組合健保』)を採用し、保険料が安くなる場合もあります。
おわりに
退職後に転職するのであれば問題ありませんが『国民健康保険』に加入するときは必ず保険料を比較しましょう。
『国民健康保険』と比較して前職の『健康保険』の方が得なら任意継続をおすすめします。
ではまた次回。
